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葉にんにくぬたというワードの前に「葉にんにくって何??」「ヌタってそもそも何??」 というご質問がとても多かったので、意味や由来についてご紹介します。
そもそも「ぬた」とは?
1. ネギなどの野菜類に魚類や貝類、ワカメ等の海藻類を酢味噌やからし酢味噌で和えた料理のことをいう。
2.「沼」で「田んぼ」のようなドロドロとした見た目から、それぞれの頭文字を取り「ぬた」になった。
3. 全国的には1. のことを指すが、高知県では葉にんにくを細かく刻んで混ぜ合わせた緑色の酢味噌を指す。
全国的にはカラシ色(左)、高知は葉にんにくの緑色(右)
そもそも「葉にんにく」とは?
1. ニンニクの成長期に葉・茎の部分を若採りしたもの。ニンニクと比べそれ特有の臭みや辛味が少ない。
2. 中国四川省では高級食材として麻婆豆腐や回鍋肉、餃子、チャーハンなどに定番のスタミナ野菜である。
3. ニンニクと比べてビタミンAやC、水溶性食物繊維が多い。血行も良くするため美容に適した食材である。
「葉にんにくぬた」の味とは?
1. 原料の葉にんにくはニラやネギより甘く、ニンニクの独特な臭みが無い爽やかでスッキリした風味が特長。 その理由は一般的なニラと比べて糖度は約2.2倍、ビタミンCは約4.6倍(自社農園葉にんにく)含まれているから。
2. 美味しさを最も左右する“うま味”成分(アミノ酸)もネギやニラや玉ねぎと比べて多くその代表格である グルタミン酸、アスパラギン酸はそれぞれ251mg/100g、200mg/100gと高数値である。アミノ酸が多いとされているトマトと比べても、アスパラギン酸で約11倍、グルタミン酸では約2倍を誇り、チーズなどの旨みを付け足さなくても葉にんにく単体で「味の相乗効果」が成り立つため美味しいと感じるのです。
3. 郷土料理なので味噌や酢はそれぞれの家庭によりけり。白味噌が一般的だが個人的には麦味噌が一押し。 麦味噌の味の複雑さ・奥深さ(俗にこれをコクという)が、肉や魚と相性良くリッチなテイストになる。
高知県では赤味噌や合わせ味噌を使っているご家庭もあり、お酢も上品でマイルドな純米酢から一般的な醸造酢、柑橘の絞り汁(ゆず酢)まで内容は様々。好きな材料だけを集めてマイぬたを作ってみるのも良し。
「葉にんにくぬた」のルーツ
葉にんにくは16世紀末に戦国大名である長宗我部 元親(ちょうそかべ もとちか)が朝鮮出兵の際に朝鮮半島の一族と共に葉にんにくの食文化を高知県へ持ち帰ってきたのが起源だと言われています。
FNNみんなのニュース(㈱アースエイド 葉にんにく生産)より
高知では古くから天然のブリがよく釣れ、さらに養殖も盛んであったため、これらの脂の乗ったブリを刺身で食べる際に醤油では弾いて落ちてしまうので、垂れずにしっかり乗る”タレ”として味の相性や、お酢と葉にんにくの殺菌効果と健康増進効果も手伝い葉にんにくぬたが定着したと言われています。
FNNみんなのニュース(㈱アースエイド 葉にんにく生産)より
「葉にんにくぬた」は年中食べられない??
葉にんにくは冬しか収穫出来ない季節野菜であり、さらにそれを細かく刻み酢味噌と合わせてペースト状にした葉にんにくぬたは、保存が難しく高知県の家庭では作った当日にすべて食べきるのが基本です。
そのため春・夏・秋は主原料の葉にんにくが入手出来ない点と、冷凍以外では長期保存が出来ない点、葉にんにくを使うとコストが高くなる点から、市販品では葉にんにくの代替品として大葉を入れたり、着色料で緑色を再現した葉にんにくぬた”風”のヌタが高知県内では売られるようになっていきました。
高知県人の殆どが実はホンモノの”葉ニンニクぬた”を知らない
本来は葉にんにくもそれぞれの家庭で栽培し、高知では郷土料理として受け継がれてきた葉にんにくぬた。 農家や兼業農家の減少や都市部への人口集中のため、本来の製法で作った本物の葉にんにくぬたを知らない人が高知県民でも若者を中心に殆どを占めるまでになってきました。
現在高知県のスーパー等で市販されている「ぬた」の代表的なものを3つ挙げてみます。
原料に葉にんにくが入り、さらに通年で購入可能な商品は現在は左側の1商品だけです。また食品添加物等も使用せずナチュラルな食材で、昔ながらの製法を忠実に守っているヌタは商品として少ないのが現状です。
「食は命なり」という言葉は「食事により人間の運命は変わる」というのが本来の意味だそうです。先祖代々受け継がれて現代に残っている食文化は、人間にとって有益なものだけを取捨選択してきた歴史の集大成とも言えます。ヌタの場合もやはり口に入れるモノですので、食の本質を捉えてしっかり吟味したいものですね。
最後までご覧頂き有難うございました。
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投稿者プロフィール
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株式会社アースエイド 代表取締役
特定非営利活動法人 日本綜合医学会 理事
2004年に自動車メーカーのマツダ入社。R&D部門にて開発統括業務、シャシー開発、次世代低燃費エンジン開発などに携わった後、2009年退社。
6次産業立ち上げに必要な農業技術や食品加工技術の開発、加工場建設や経営知識の習得に加えて現居住地の限界集落のブロードバンド化活動などを3年半掛けて行い、2012年に1人にて農業生産から食品加工、販売までを手掛ける「農産加工所アースエイド」を創業。
「健康的な食と文化の提供を通じて お客様に幸せを提供する」を基本理念とし、高知の伝統調味料「葉ニンニクぬた」の通年量産化に日本初で成功した事をきっかけに国内だけではなく、海外へも広めようと販促活動を行う。
現在はNPO法人日本綜合医学会の理事も務め、健康相談や食育講演活動を通じて「食の本質」を伝えることにも尽力し、ガン・糖尿病等の生活習慣病や精神疾患の患者を削減させ、医療費問題に貢献することを人生の目標としている。
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