「葉ニンニク知ってますか?」

「ネギはやめた!」と言わせる程の美味しさを持ちながらその認知度は・・・。
今日は隠れた絶品野菜「葉にんにく」についてご紹介します。

ニンニクの成長過程である

葉にんにくは分かり易く言うとニンニクになる前なんです。
ニンニクが出来るまでって皆さんご存知ですか?葉にんにくはニンニクが出来るまでを知ればわかります。

ニンニクの種植え付け(9月頃)

これがニンニクの種です。(丸いやつをバラした一片一片)

芽が出る(植え付け後1週間ほど)

植え付けから1週間ほどでヒョコっと芽を出します。

葉にんにく(葉が大きく育つ)(12月~2月)

葉が大きくなったこの状態が葉にんにく。冬物野菜でたった2ヵ月間しか味わうことができないんです。太陽などの自然をいっぱいに浴びてスクスクと育っていき青々とした葉が畑を埋め尽くし、たくさんの栄養が蓄えられています。

葉にんにく収穫風景↓

葉が枯れる(4月~5月)

青々としていた葉が一点、葉先から茶色に変色し始め一気に枯れていきます。葉の栄養が地中へと移っていき、地中ではニンニクが大きくなり始めます。

ニンニクが出来る(5月頃)

地上の葉がかなり枯れた頃、地中ではニンニクが大きく立派に育っています。ここで引き抜き、ニンニクの収穫となります。

葉にんにくがニンニクの成長過程であると分かったところでこう思った方もいらっしゃるのでは。

「葉にんにくで収穫してそのあとニンニクでも収穫して・・・。」残念ながら出来ないんです。

上記で葉にんにくの栄養がニンニクになる過程で地上から地中に移ることがわかっていただけたかと思います。つまり葉にんにくとして収穫した場合、ニンニクなる為の栄養が絶たれてしまうということなんです。また、葉にんにくはニラやネギなどと違い再生栽培ができません。

一度収穫すると同じ種から葉が大きくなっていくということはないんです。

専用のニンニク品種がある

どんな作物も「品種」ってありますよね。例えば、米でいうと「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」など・・・。ニンニクにも様々な品種があります。

ニンニクの産地として有名な青森県でよく栽培される「福地ホワイト」。これはニンニク(芋)に特化した品種で葉にんにくとして収穫されることはまずありません。

これに対して「葉にんにく専用品種」というニンニクの品種があります。これはニンニクではなく、葉にんにくとして栽培することを目的とした品種で、ニンニクになるまで待たず葉にんにくとして収穫されます。専用品種というだけあって、葉にんにくで食べた時には格別美味しいんです。

中華野菜である

さて、この葉にんにくですが実は中華野菜なんです。中華料理にはなくてはならない食材で、特に四川料理で重宝されています。

中国では回鍋肉に葉にんにくを使う

皆さん、回鍋肉(ホイコウロウ)に入れる野菜と言えば何を思い浮かべますか?ほとんどの方が「キャベツ」と答えるのではないでしょうか。しかし回鍋肉の本場である中国四川ではキャベツでなく「葉にんにく」を使うんです!

では何故日本では回鍋肉にキャベツを使うのでしょう。これにはあの中華の鉄人で有名な「陳健一」さんのお父様「陳健民」さんが関係しているんです。※写真は陳健一氏

「陳健民」さんが日本で「回鍋肉」を作ろうとした時、当時日本には「葉にんにく」が全くなかった(正確には流通していなかった)んです。そこで代替としてキャベツを使用したことから、日本の回鍋肉にはキャベツということが今に伝わる。ということなんです。

国内はダントツ高知県である

「葉にんにく知っていますか?」の質問に90%以上の方が知らないと答えます。しかし同じ質問を高知県民にするとなんと真逆。90%以上の方が「知っている」と答えるのです。※ちなみに高知県のに隣接する徳島県&愛媛県もほとんどの方が知りません。

ではなぜ高知県民だけに、愛してやまない、なくてはならない存在となったのでしょうか。

高知県で知られるようになった理由

その答えは葉にんにくが中国から日本に伝わってきたルーツにありました。
時は戦国。安土・桃山時代に当時の高知(土佐)を治めていた長宗我部元親公が朝鮮出兵から高知に帰ってくる際に持ち帰ったのが起源だとされています。※諸説あります

なぜ高知県外では知られていないのか。それは葉にんにくの性質が関係しています。葉にんにくはキャベツやレタスなどと同じ葉物野菜です。スーパーでキャベツやレタスを買っても全然日持ちせず、すぐに傷んでしまいますよね。葉にんにくも一緒なんです。特に葉にんにくは葉物野菜の中でも痛みやすいのです。

つまり高知県で栽培した葉にんにくを県外まで鮮度を保った状態で持っていくことが非常に難しいということです。このような理由から高知県内で認知がとどまっていると考えられています。

どんな味、どんな料理に?

葉にんにくがどういった野菜か分かってきたところで、どんな味がするか気になりますよね。ニンニクと比べてみるとイメージが沸くかもしれません。

匂い&辛みがニンニクより少ない

全くないわけではないですが、いずれもニンニクよりかなり抑えられています。爽やかな風味と言われるほどでニンニクが苦手な方でも葉にんにくは好きという方が多くいらっしゃいます。

甘みが強い

ニンニクは糖度が高いって皆さんご存知ですか?いやいや甘くないよと思うかもしれませんが、野菜の中でかなり高い部類なんです。その高い糖度は強烈な匂いや辛みが先立って感じることが出来ないだけなんです。葉にんにくはこの匂いや辛みがニンニクより抑えられているので甘さが感じられるんです。

色々なお料理に使えます

まず、炒め物との相性が抜群です。そりゃそうです。炒める料理法がメインの中華料理に重宝されているですから。回鍋肉の他にも「チャーハン」や「麻婆豆腐」、「餃子」といったものに使われます。


高知県での葉にんにくの使われ方

これがホントにおすすめ!高知県では鍋の中でも「すき焼きに葉にんにくを入れる」というのが一般的です。

「ネギはやめた」という言葉も県外の方が高知に来て初めて葉ニンニク入りのすき焼きを食べた時にでた言葉でした。鍋に入れることで甘みが増し、入れる長さを短くして食感を楽しんだり、十分に鍋の旨味を吸って美味しさが倍増した状態など・・・。

筆者個人のおススメはキムチ鍋!絶対欠かせない食材です。

葉にんにくぬた

地域によって異なる「ぬた」。一般的には辛子酢味噌のことを指します。高知県の「ぬた」は見た目が真緑。この緑が葉にんにくなんです。葉にんにくをすり潰し、酢、味噌、砂糖などを混ぜ合わせて作ります。

そして何に使うかというと刺身!(特にブリ)醤油の代わりにタップリと刺身が見えなくなるほどかけるのが高知流。葉にんにくの風味に酢味噌の酸味がベストマッチし、脂が多いブリなどの刺身も箸が止まらなくなっちゃいます!

健康&美容に良い成分が豊富

健康&美容を語る上で重要なキーワードとして「活性酸素」というものがあります。

これが体内で多量に発生すると健康や美容に害を与える原因になります。

初心者にもわかる!健康、美容の大敵「酸化、活性酸素」とは?

この活性酸素を抑えることが健康や美容を良好な状態で維持することにとても重要であり、このことを「抗酸化」と言います。

緑黄色野菜で効果的に抗酸化!

体内で抗酸化を活発にするためには、食から抗酸化作用を期待できる成分を体内に取り入れる必要があります。
一般的に緑黄色野菜と言われる色が濃い野菜は、この抗酸化作用が高いと言われています。葉にんにくもこの緑黄色野菜に分類されます。

ビタミンC

ビタミンCは皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。またストレスへの抵抗力を強める作用もあり、現代のストレスが多くかかる社会では不足しがちな栄養素だと言われています。葉にんにくはこのビタミンCがレモンの1.8倍も含まれます。

ビタミンA(β-カロテン)

また、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンもネギやブロッコリーより豊富に含まれます。ビタミンAもビタミンC同様に皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持や、がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。

ここで興味深いのはβ-カロテンはニンニクにはほとんど含まれない成分だというところです。葉にんにくからニンニクに成長する過程でこのβ-カロテンの量が減少していくことがわかります。

ポリフェノール

ビタミン同様抗酸化に優れた力を発揮するポリフェノール。血液の流れを良くする効果があり動脈硬化など生活習慣病の予防に重要な栄養素です。野菜ではトマトやブロッコリーに多く含まれていますが、葉にんにくはどちらよりも約3倍も多いことがわかります。

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか。皆様の葉にんにくについての疑問に少しでもお役に立てたでしょうか。

最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

↓を押さえておけば、葉にんにくのことを理解出来たのも同然です。

おさらい

葉にんにく=ニンニクになる前である
冬物野菜で短い期間しか栽培できない
中華野菜で国内では高知県以外知られていない
栄養満点
匂いや辛みが少なく甘みがあり美味しい
様々な料理に使えて中でも鍋がベストマッチ

最後までお読みいただきありがとうございました。


葉にんにく餃子
葉にんにく餃子

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